【益世小学校のあゆみ 第11回】

益世小学校は、令和7年(2025)10月に創立150周年を迎えます。これに先立ち100周年の時にまとめられました校誌「益世」から「益世小学校のあゆみ」を再録で、連載いたします。

掲載は原則として、毎月初旬に1回します。連載は、全15回の予定です。

9.益世小学校になって

学制あらたまる

日本の国は、戦争に敗れ、今までの教育や政治のやり方について反省し、あらためるべいきものをあらためることにしました。

昭和21年11月3日、新しい日本の方向を示す「日本国憲法」が公布され、平和と民主主義の精神のもとに新しい日本の国が誕生したのです。

明治以来、日本の国の教育の基となっていた、教育勅語の教え方をあらため、新しい教育の基としての教育基本法が制定されました。

教育基本法は、義務教育を9年と定めました。そして、法律で学校の制度を今のような6・3・3・4の六三制のしくみにあらためました。新しい国の新しい学校づくりの第一歩をふみだしたのです。

第五国民学校も高等科が分かれていき、第五小学校と名前をかえ、6年生までの小学校となりました。

益世」の由来と校章

「益世」の校名は、新しい日本の国が誕生し、新しい「世」の中に「益」(役に立つ)する人間となるため、いっしょうけんめい勉強する子どもが集まっている学校という願いがこめられて名づけられました。

校名の変更とともに、校章も新しく考え出されました。真ん中に校名の「益世」をかかげ、勇気の象徴である月桂樹でそれをかこみ、桑名の桑を略画して、校章を型づくっています。しかも、桑の(桑)の字の十を、それぞれに平和のシンボルである「ハト」が羽ばたいている姿に模し、益世の卒業生が、世界の四方に、また、各界にはばたき、大いに活躍することを期待したものです。

校歌制定

第五小学校の校歌は、次のようなものでした。

聖地伊勢へと入り立つ町の

   桑名第五の学びやに

     我等は学ぶ日に月に

輝く御代の 御光うけて

ところが、校名が変わったとき、校歌そのものも現代にあまりそぐわないという声が、学校の内外から高まってまいりました。現代にふさわしい校歌をということで歌詩を広く校下の父兄から募集しました。十数編の応募があり、名市短大教授、久徳高文先生に選んでいただきました。その結果、栄町の安藤隆二さんの作品が校歌として採用されることになりました。作曲は愛知県立大教授、水谷昌平先生に依頼しました。昭和37年2月1日、講堂で盛大な校歌発表会が行われました。

(再録 令和6年6月 市川景範 記)