【四季折々の花 21】

投稿者  若宮  うらしまそう さん

サネカズラ

サネカズラ

人家に近い森の中や道端の藪や石垣などにからみついているモクレン科のつる性植物。古い茎は直径2㎝にもなる。葉は少し厚く長さ6~11㎝、無毛で上面は濃緑色で光沢がある。

8月に1.5㎝程の黄白色の花がうつむいて咲き、果実は秋から冬に赤く熟す。冬も青々とした葉をつけ赤い果実が葉の中に見え隠れして美しい。その様子から「実(サネ)カズラ」の名前がついたと言われている。      

そのサネカズラをすりつぶすとネバした汁が出るので、この汁を男の人が髪にぬって形を整え美男になったことから、ビナンカズラの呼び名もあります。

つるはお互いに絡み合いながら地面を張ったり、近くの立ち木に登りつめたりする。その様子が人と人とが会ったり別れたりすることを思わせる。昔の人はサネカズラをそのような意味を込めた短歌の中に取り入れている。

小倉百人首に 「名にし負はば逢坂山のさねかづら
         人に知られでくるよしもがな」(三条右大臣)      

と歌われた。

以上