【益世小学校のあゆみ 第12回】

益世小学校は、令和7年(2025)10月に創立150周年を迎えます。これに先立ち100周年の時にまとめられました校誌「益世」から「益世小学校のあゆみ」を再録で、連載いたします。

掲載は原則として、毎月初旬に1回します。連載は、全15回の予定です。

プール竣工

桑名市では、毎年7月になると、全市の5・6年生が、富洲原の海へ水泳訓練に行くならわしになっておりました。家からそら豆のいったのを袋に詰めて行き水泳のあとで、海水でふっくらとふやけたそら豆を、松林の木陰でほほばるのが、子どもたちにとって、なによりの楽しみでした。

ところが、四日市に工場がたてられるようになり、年々油による海のよごれがひどくなり、足の裏やからだに油がつくようになりました。また、津市の中学校で、海水浴中、多数の生徒がおぼれて死ぬといういたましい事故がおきました。万一、桑名でもこんな事故がおきてはという心配から、学校にプールを作る計画がたてられました。

昭和38年7月、益世小学校にプールが完成しました。電車に乗って、厚い炎天を富洲原駅から海岸まで歩くこともなく、学校で水泳ができるようになりました。

鉄筋校舎の完成

昭和34年9月26日、伊勢湾台風が桑名地方をおそいました。揖斐川や町屋川の堤防がきれ、水が町の中にあふれ強い風とともに多くの人々の生命をうばいました。

益世地区も大きな被害を受けました。

被害を受けた学校は、次々と鉄筋の校舎に建て替えられていきました。そうした中で、益世地区の人々も益世の学校を鉄筋の校舎にしようと、熱心に、市教育委員会と相談しました。

昭和42年から、昭和47年3月にかけて、鉄筋3階建ての校舎をはじめ、体育館がつくられました。

昔の学校のおもかげは、校庭に残っている柳だけとなり、すっかり姿をかえ、現代的なすばらしい学校になりました。

(再録 令和6年7月 市川景範 記)