【四季折々の花 ⑪】

投稿者  若宮  うらしまそう さん

イヌナシ

多度峡の南を少し登った所にある“みどりケ池”の西側に自生しています。

この地で樹高1m以上の成木は40数本(高いもので11m、胸高直径は28㎝)を数え、イヌナシ自生地としては日本で最も大きな群落で、平成22年8月5日に国指定天然記念物「多度のイヌナシ自生地」になりました。

イヌナシはバラ科の植物でマメナシとも呼ばれ野生ナシの中で最も原始的なものです。4月の始めに染井吉野が咲いた後に一斉に開花し、その後10㎜程の小さな果実をつけます。その味は渋くて食べられるものではありません。またこのイヌナシは東海丘陵要素と呼ばれる植物群の一つで、伊勢湾周辺に分布する希少種とされています。

平成17年(2005年)から毎年県、市や地元NPO法人「多度自然育成の会」や市民ボランテアの方々によって“花を見る会”や下草刈りなど保全活動が行われ、そのお陰で今では風通しや陽当たりも良くなり次世代の芽生えも育つ環境になってきています。

この貴重な宝物を皆で見守り、育てていきたいものです。

 以上